Grassland.

まるで踊るように。

青春18きっぷの旅〜二日目、奈良から名古屋ヘ〜

ターシャと出会う。

奈良でモーニングを探していると、泊まっていたところから徒歩15分くらいのところに厚焼き卵サンドがおいしそうなカフェを見つける。

たかだか徒歩15分、と思うけれど、歩き出して見ると暑い。荷物がおもい。着く頃には汗だらだらになっている。

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cafe zuccuはレトロでおしゃれなお店だった。
そこにあった本棚の中に、ターシャ・テューダーの本を見つける。
ターシャの庭にはなんでも植わっていて、それはすてきなお庭&おうちだ。(映画にもなっている)
そこに書いてあった言葉に衝撃を受ける。

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「私は庭でとれる材料を使って、なんでも作れます。ストロベリーとルバーブのパイでも、ラズベリーパイでも。」

「植物を鉢から地植えしたり、植え替えたりしたとき、移植のショックをやわらげるためにその上に植木鉢をかぶせておきます」

庭でとれたもので、そんな素敵なものを作れる世界があるなんて。

そして移植のショックをやわらげる、なんて、考えたことがなかった。

植物たちとほんとうに一緒に生きているんだなぁ、と、じんわりした。

そして、家にターシャの「思うとおりに歩めばいいのよ」という本を買って持ってることを思い出した。
 今、読みたい。


心のドアはどこに開くか。

奈良を出て三重を通過し、名古屋に向かう。
名古屋につくまでの間、鈍行電車は緑豊かな大地を夏の景色とともに駆け抜けてくれた。

そういえば、平成最後の夏らしい。

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平成最後の夏は、特に緑がよく映える。ような気がする。
もぎたてのとうもろこしが食べたい。
あまーいスイカに思いきりかぶりつきたい。
熟れたトマトが食べたい。




そんなことを思いながら窓の外を眺めながらぼんやりしていると、電車の中でアナウンスがあった。

わたしは耳を疑った。


「ドアは内側に開きます。
出口は左側に変わります。
左側のドアが開きます。」

もちろんただのアナウンスだ。
だけれど、なんだか突然、心のことのように聞こえたのだ。

あなたの内側に向かって、扉は開きます。

どんどん地球は、あなたは、右から左に変わるように、まるで正反対のように思えるくらい、変わっていきます。

そして、また扉が開きます。




心のドアは、内側に向かって開く。




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忍者、というワードにつられて、伊賀上野駅で途中下車する。
忍者博物館、というのがあるらしい。
行こうかと思ったけど、なんとなくやめる。
すると次の電車は一時間後であることがわかる。
どうしようもないので、ホームの椅子に座る。
外国の人、親子連れ。おじさん。若もの。
ぽつりぽつりと人があらわれたり、向かいのホームで電車とともに消えたりする。
ぬるい風だ。でもたまに吹く冷たい風が気持ちいい。

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なにもしなくてもいいんだなぁ、と思った。
なにをしてもいいんだなぁ、と思った。
その瞬間、世界のすべてがそこにあった。
わたしは、ただただ安心していた。


なんのための旅か。
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名古屋に初上陸する。
さすがは大都市、ビルが多い。人が多い。
みんな忙しそうだ。
そしてまるで外国のようなスタバもある。

そんな中、突然ぴーんときて手芸屋に向かう。
やっぱり子ども向けに作るのがいいらしい。
また片道徒歩30分。。
手芸屋では近所の店で300円ちょいくらいで売っているフェルトが240円くらいで売っていて種類もたくさんあり、わっほーい!と購入する。
いよいよリュックに入らなくなり、ちょっと申し訳ないけれどもウクレレのソフトケースがサブバッグになりつつある。


名古屋のカプセルホテルには洗濯機と乾燥機があり、その素晴らしさに感動する。
乾燥機が使えると、干さなくてもいい…!!!(洗濯セットでロープと洗濯バサミを持ってきている)


とここで、その一方でなんだかあてのない旅に飽きてきた自分をみつける。

なんのための旅なんだ?
なんのための?
お金もかかる。あつい。おもい。
別に行かなくてもいい。
なぜ行くんだ?
なぜ?


そんなことを思いながら、また次の宿を検索しながら。
わけがわからなくなって、寝た。

すると夢でAちゃんが出てきた。
Aちゃんの家族と、ご飯を食べている夢。
起きたときにも、まだ夢の続きのようで。
だから聞いてみた。
すると彼女は言った。

「行きなさい。行ったらええやん。遠くまで」

そんなようなことを、言ってくれた。

そうなのだ。別に目的が目的ではなくて、ただただ遠くに行ってみたかったのだ、わたしは。
遠くに行きたい。
それはたぶん、昔から思っていた。

みずがめ座は、家庭に恵まれてはいるけれど、なんかそこで満足しきれない感じがある、というのを読んだことがある。

“あなたには、みんなロマンをみています。
「ここまではこうだった」「これからどうなるのか」と考えずにその時の音楽に合わせて踊ること!人生はダンスであること!あなたのダンスは、周りの人を魅了します。人生を気負いすぎないで。安心して変人でいていいのです。”

勝手にダイジェストにしたけれど。

そうだ。そういうことだ。

ダンスであること。

きっと今これを読んでくださっているあなたもそうだ。

人生はダンスであること。

みんな、好きなダンスを踊ろう。

だから、わたしは今回はただただ遠くへ行く。


今は千葉に向かっています。
「古カフェ系ハルさんの休日」にでていたカフェに行くために。

目的なんてそんなもんで十分だ。

#青春18きっぷの旅