Grassland.

まるで踊るように。

Happy Happy Weddingによせてー毎日がエブリディ。

坂道と自転車とわたしと。f:id:yuki6225:20180612000214j:plain
坂道を上る。果てしなく続く坂道を上る。なるべく途中で自転車を降りない。なぜって、自分に負けたような気がするから。
往復のバス代がもったいないから、倉敷まで片道1時間半かけて自転車をこぐ。

ー8年前だ。
そんなふうにして岡山の児島で、短大生活を送っていた。

6月吉日、短大仲間の結婚式があり、久々に車で児島に行った。
場所というのは、強烈に記憶を呼び覚ます。
運転しながらはっと気づくと、そこに坂道があった。間違いなくあの坂道だ。
あの日、必死になって自転車をこいだ、坂道。
なつかしい。
とんでもない距離だった。今思えば、だけれど。
あの頃のわたしと、リンクするかのように記憶が蘇る。まるで自転車をこいでいるわたしがそこにいるかのようだった。

そのとき。

大丈夫だよ、と声をかけていた。
胸の中に何かしらの思いがすごくあるのにそれをうまく言えず、自分でもよくわからなくて、でもそれを諦めて振り切れるほどの潔さもなくて、ただただ未来がわからないまま、必死で自転車をこいでいた、わたし。
大丈夫だよ。あなたが思う道で合ってるよ。
今はわからないかもしれないけれど、大丈夫。
大丈夫だから。 
そう思って、今の状況も似たようなものであることに笑えた。
だけど、未来と今と過去が繋がってるってこういうことなんじゃないかと思う。
きっと今のわたしにも、未来のわたしが言っているのだ。
大丈夫だよ、って。


結婚式によせて。
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素敵な結婚式だった。
彼女らしい、あたたかくて変な重さのない、澄みわたる青空がよく似合う結婚式だった。
すばらしいオーシャンビューの中、やさしそうな彼と一緒に鐘を鳴らす姿がまぶしかった。

久々に会う友だちもたくさんいた。
変わらなかった。だけどそれぞれ変わってた。
当たり前だ。8年も過ぎたのだから。
笑い合う。普通に沈黙になる。思い出話がいくらでも出てくる。疲れて眠る。現状を聞く。
変わんねぇなぁ。
そう思いながらも、確信できたことはひとつだけ。

それぞれの道を歩いている。
わたしたちは、変わらず、変わりながら、それぞれの道を歩き出した。
結婚したり、保育士したり、職種変えたり、仕事辞めたり、子どもを育てたり、
そうしながら、自分の人生を生きることで、誰かの人生をも生きているのかもしれない。
あなたはわたしで、わたしはあなたで。
わたしがわたしの人生を生きることで、あなたの分も生きている。
あなたがあなたよの人生を生きてくれることで、わたしの分も生きてくれている。
きっと、ただそれだけだ。
それだけだよ。


毎日がエブリディ。
学生のころ、友だちが言い間違えて迷言を残した。
「毎日がエブリディ」
たぶん、毎日がスペシャル〜♫的なことを言おうとして間違えたんじゃなかったかなと思う。そこはあまり覚えてないけれど。
「毎日がエブリディって、そのまんまやん!!」
そう言って転げるように笑った。
今回も、ふとした会話の中でその迷言を誰かが口にした。思い出し、たまらなくなって笑う。
でも一人になって思った。それってほんとうにそうかも…。
「毎日がエブリディ」そんなこと忘れて生きてないだろうか?
「一週間でエブリディ」「一段落してからがエブリディ」という感覚になってないだろうか。
毎日なのだ。毎日生きている。
かつて、東井義雄先生はこんな言葉を残されている。

“明日がある あさってがあると考えている間は なんにもありしない かんじんの 今さえないんだから”

まさにこれだーーー!!!
イコール毎日がエブリディ!!!
そういうことだったのかーーー!!!
と衝撃を受けた。
毎日がエブリディ。
まじで毎日がエブリディ。
365日いつでも毎日がエブリディ!!!


さよならはまたね。
さよならはさみしい。
駅のホームで最後に一緒だった友だちとわかれる。
電車が、見えなくなる。
こういうとき、すぐにネットの海に飛び込んでしまう。あぁでもちゃんとこの感覚を味わおうとスマホを置き、ぼんやりとする。
電車がくる。
よし、と思いながらキャリーバックを持ち上げ電車に乗る。
履いていたパンプスが片方、電車とホームのあいだに落ちる。
唖然とする。
片方ないまま岡山駅まで行くのか、恥ずかしいな、あぁ靴買わなきゃいけないかな?そのまま車に乗ろうかな?あのパンプス気に入ってたのにな…。
ってか駅員さんに言おう!!!という思考回路になんとかたどり着き、ギリギリで電車を降りて改札の駅員さんに「靴が落ちたんですけど」と伝える。

「子どものですか?」
「わたしのです」
駅員さんがわたしの足元をみる。

そんなやりとりののち、無事駅員さんに拾っていただくことができた。
ありがたい…。
そんなこんなで、(他にもいろいろあった気もするけれど)今回の旅はおわった。

わたしは相変わらず自分の今の状況がうまく言えなかった(気がする)けど、みんなが「明日から仕事がんばろ〜」と言っているのを聞いて、わたしもわたしの今のしごとをがんばろうと思った。
短大のとき、サークル活動で出会った照明さんが言われていた。
自分たちの仕事は娯楽の仕事だから、だからこそ真剣にやらないとできないんだ、って。
そんな感じ。
毎日がエブリディを忘れずに。


『目に見えるものが真実とは限らない。何が本当で何が嘘か。この世界は現実なのか。あなたの見ている夢なのか。コンフィデンスマンの世界にまたいつか』
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